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[てぺん]【小説】▼MPがたりない!【前編】

【小説】▼MPがたりない!【前編】

Artist CG
Posted:2022-09-08 00:34
Parent:None
Visible:Yes
Language:Japanese  
File Size:13.32 MiB
Length:9 pages
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Posted on 08 September 2022, 00:34 by:   叫死小猫    PM
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「さぁ、バーン様。ここには私達二人だけ。見ているのは月だけでございます。」
深い森の中。静けさの中にただ虫の音が響く。
「キール…。」
俺の体に跨った僧侶は、そのムッチリとした尻をゆっくりと動かし、布越しの股間を前後に刺激する。慣れた動き。生真面目な見た目からは想像もつかない淫靡な吐息を混じらせ、今か今かと俺の返事を待っている。
「バーン様。……私の中に、貴方様の──を。」

やはりこうなった。こうなってしまった。安い正義感など出すんじゃなかった。
どうせまた俺は─────。

─────同日午前。国境都市「アムリタ」・冒険者ギルド─────

「くぁぁ~~!!!!今日も賑わってんな…」
眠い瞼を擦り、盛大にかました欠伸。いつもの朝、いつもの光景。がやがやと多くの人が賑わうここ、国境都市アムリタの冒険者ギルドには、朝から仕事を求めて様々な冒険者が集う。
戦士、モンク、魔法使いに忍者。職業も違えば種族も違う。皆一様にクエストボードを眺めては、貼り付けられた依頼書を取ってカウンターへ赴く。
俺もそんな中の一人だ。
「さってさて…今日も今日とておひとり様用のご依頼はっと…」
大量に張り付けられた依頼書を眺め、
「んん~っと……サルバ平原のスライム狩り…。討伐数出来高払い。これにすっか。」
目ぼしい依頼書を見つけた俺は、ピッと依頼書をボードから剥がし、鼻歌混じりにクエストカウンターへと向かう。いつもの朝、いつものルーティン。また変わらない一日が始まる。
その時まではそう、思っていた。

ドンッ!!!!!!!

「あいってぇ!!!なんだよ!?!!?」
突然の衝撃が背中を襲う。怒声と共に振り返ると、そこには黒髪を立てた短髪の若い僧侶が一人。
「ハァ、ハァ、も、申し訳ありません…」
「(おっ…かわいい…。)」
慌てて走っていたのか息も絶え絶え。後ろを気にしながら、その僧侶は申し訳なさそうに立ち去ろうとする。
「お、おい…」
声を掛けようと肩に手を伸ばした瞬間、
「見つけたぞキーーール!!!!!」
またも背後から、今度は野太い男の声。筋骨隆々な、いかにも戦士(いや盗賊か?)というタイプの男が迫ってくる。
「あぁ、…」
若い僧侶は「どうしよう、」と狼狽え逃げようとするが、あっという間に距離を詰められ。乱暴に腕を捕まれたままクエストボードの前に追いつめられる。
「キール。何故逃げるんだ!!!俺はもう一度おめぇと…」
「お、お止めください!あなた様とは、もう…!」
大声で揉み合う二人。なんだなんだと野次馬も集まってくる。
いやなんだこれは…。痴情のもつれか?一連の流れに事態が掴めず呆気に取られていると、
パチッと。そのキールと呼ばれた若い僧侶と目が合った。そして、

「たすけ…て」

微かな声で、俺に助けを求める潤んだ瞳。咄嗟に体は動いていた。

引きはがした大男の首筋に、ヒタリと鋭いナイフが突きつけられる。
「ヒッ、」と声を上げ、動きを止める男。シン…としたしばしの静寂がギルド内を包む。…だが、
「チッ…」という苦々しい舌打ちと共に、呆気なく男は引き下がり、そのまま雑踏の中へ消えていった。
「もう終わりかよー。」「相変わらず無茶やってんなぁバーン!」「騎士様みたいだったよ!」騒ぎが収まる中、知り合いや顔見知りの連中から次々掛けられる声。
「うっせぇ!見せもんじゃねえ!金取るぞ!」俺も軽口でそれをいなし、一息ついたその時、
「あの…。」
件の僧侶が申し訳なさそうに声を掛けてきた。
「助けて頂き、誠に感謝申し上げます。そして申し訳ございません。私事に巻き込んでしまい…」
丁寧にお辞儀をし、感謝と謝辞を伝える僧侶。…う~…なんかムズムズすんな…
「ま、涙目で助けて!(裏声)なんて言われたらな。」
「なっ…!?」
「それに可愛子ちゃんには甘いのよ、俺。」
「かわっ!?!???////」
俺の軽口に頬を赤くし、言葉を詰まらせる僧侶。…マジでかわいいな。
「んで?何だったんださっきのは?」
「その…色々と、ございまして…」
質問に言葉を濁し、顔を伏せる。まぁ、ワケアリなんてこの町じゃ履いて捨てる程溢れてるしな。それに僧侶…魔法職。察しはつく。これ以上関わらないのがお互いの為だ。
「んじゃ俺はクエスト行くからよ。達者でな僧侶様。」
そそくさといつもの日常に戻ろうと後ろ手で手を振る俺に、
「お、お待ちください!!!!」
僧侶は声を裏返して叫ぶ。
「あの、バーン様…でよいのでしょうか。…是非私めをクエストにお連れ下さい。先程のお礼がしたいのです!」
関わらないのが…なんて思った矢先。やはりこうなってしまったか。
「私は見ての通りしがない旅の僧侶ですが、エーテル神の加護はきちんと宿しております。道中のお怪我はすぐさま治して差し上げられますし、精霊術も…」
「ストップ。」
「…はい。」
「俺は魔法職とはパーティを組まない主義なの。」
思いがけない一言に細い目を丸くする僧侶。そりゃそうだ。この世界に魔法職とパーティを組まない前衛職の物好きなんてそうそういない。ケガが多い前衛職には回復が付き物だからな。
「あの…理由は…?」
…この世界の「とある物質」に含まれる元素「マナ」。僧侶や魔法使いはその元素を体内に取り込み、変換されたエネルギーをMP(マナポイント)として管理する。更にそのMPを使い、己の身に宿した神の加護を行使することによって怪我や病気を治療する。それが僧侶。つまりはこのキール。
「ま、色々だ。…お前さんと同じワケアリってことだよ。キール。」
「…!」
それを言われたら、という表情を見せるキール。そうそう、そういうこと。ワケアリ同士、ここは関わらないのが…
「分かりました。では私も前衛として戦います。」
「は?」
予想外の返しに俺はポカンと口を開ける。
「私は僧侶ではありますが、棒術に長けております!教会でも護身術や体術の指導を行っておりましたので、バーン様と肩を並べることも可能かと。」
いやそりゃ見るからに筋肉モリモリな僧侶だな、とは思っていたが。
「いかがでしょうか!?ダメでしょうか!?」
細い目を輝かせ、ずずいっと歩み寄るキール。…あっ、香のいいにおいがする。自慢げな表情もかわいい。…いやダメだダメだ!ここでほだされたら何の為に今まで…

「……ああ!エーテルの神よ…何も出来ない非力な私をお許しください…!」

突然大声を出して膝をつき、大げさに手を広げて神に祈るキール。
「な、なにやってんだ!!!!おま…」
「どうかお許しくださいエーテルの神よ~~およよ~…」
なんだなんだとまたしても集まる野次馬達。終いには「バーンが僧侶様を泣かせてる」などといわれのない誹謗まで聞こえて来る始末。くっそおおおおお!!!!!!!
「わかった!!わかったから!俺の負けだ!!連れて行くから勘弁してくれ!」
その一言を聞いて一転、待ってましたとばかりに立ち上がり、表情を明るくするキール。くそ…こいつ生真面目に見えてやり手だな…。
「では参りましょうバーン様!必ずやお役に立って見せます故!」
「あーはいはい頑張ってくれ…あ、そうだ。一つ条件。」
「はい!」
「MPだけは絶対に使うなよ。」
「…はい?」

─────数刻後、アムリタ近郊「サルバ平原」─────

「キール!!!一匹そっち行ったぞ!!!!」
「お任せ下さいませ!破ッ!!!!!」
見事な掌底をスライムに食らわせ、吹き飛んだところにすかさず棒の一撃を叩き込む。一連の動きには全く無駄が無い。本当に僧侶かこいつ…
「次行きますよ!次!!!!」
平原を横断する河川から次々に湧き出るスライムをいなし、一匹また一匹と確実に倒していく。いつもは独り淡々と剣で斬りつけるだけの討伐依頼も、横に並ぶ人間がいるだけで相応にやり甲斐と楽しさが湧いてくる。
誰かとクエストに出るなんていつぶりだろう。今じゃ独り狼なんて呼ばれたりもするが。たまにはこういうのも悪くないかもしれないな…。
「くっ…数が多い…!一気に纏めます!ウォーターバイン…」
「あコラッ!!!!!!」
呪文を叫びそうになったキール脇腹にずびしっとチョップを入れる。
「ぬおっ…!!!つい癖で呪文を…!申し訳ありません!」
「ったく気を付けてくれよ…」
…いややっぱり危ないなこの状況は。

それから小一時間、俺達はひたすら湧き出るスライムを倒し続けた。

「はぁ~…さて。スライムの湧きも落ち着いたし、休憩にすっか。」
「はぁ、はぁ、バーン様、いつもお一人でこのようなクエストを…?危険な目に遭ったりなさらないのですか?」
川辺で魔除けの香を焚く俺の背中に、キールが問いかけて来る。
「そうだな。まぁ一人用の簡単な依頼しか受けねえし。怪我するような相手も選ばないから平気かな。たまには熊とか大猪とかも狩ったりすっけど。」
わざとらしく両手を上げ、がおー!と威嚇の真似をして見せる。それを見たキールは「ふざけないでくださいませ!」と笑った。
それから俺達はしばし流木に腰かけ、お互いのこれまでを語り合った。
先の大戦で親を亡くし、引き取られた教会で神に祈りを捧げ…強くなろうと必死にもがいてきたというキール。…通りで強いわけだ。
今は宣教の僧侶となり、行く先々で人々の傷を癒し、時には懺悔を聞きながら聖都を目指しているという。アムリタに着いたのもつい数日前。
「正直、旅は思っていたよりも過酷なものでした。先の大戦で人々は希望を無くし、どの国もまだまだ復興の途中。そんな中、私のようなどこの馬の骨とも分らぬような僧侶にお布施をいただくようなことも出来ませんし。…神のご意志に背くような行為にも手を染めようかと、思ったこともありました。」
ぽつりぽつりと話すその横顔は、世の中の酸いも甘いも見てきた男の顔だった。
「きっとこれからの旅路も辛いものとなるでしょう。それでも、私はこの旅を続けたい。私を救ってくださった教会に、神に、御恩を返すため。まだ見ぬ誰かの救いとなるために。」
決意を語るその眼差しは、今まで見てきた誰よりも清く輝いている。
「頑張って来たんだな…これまで…」
気付けばポンポン、と。俺はその、どこか寂し気な背中を撫でていた。払いのけられるかと思ったが、嫌がることもせず。「お優しいのですね。」と、俺の手をただ静かに受け入れるキール。
俺もそう。先の大戦で両親を亡くしていた。キールとは違い、俺はもう一人立ちをする歳だったから。まだ何とか一人で生きていけた。騎士をしていた親父に剣も習っていたし、母さんの料理の手伝いもしていたから。…本当に。両親には頭が上がらない。辛いことも多かったが、それでも持ち前の明るさでやってこられた。
そんな、この国ではどこにでもありふれている身の上話を俺たちは交わした。
「貴方様も…さぞお辛かったでしょうに。それでも真っ直ぐ生きてこられたのですね。」
「はは!まぁ。腐っても騎士様の家柄だからな。」
「…バーン様。私はアムリタに立ち寄って本当に良かった。貴方様に出会えたから。」
「な、何恥ずかしい事言ってんだおま…」
「…バーン様…」
ああ。このむず痒い空気感。これももう何年ぶりだ。独りじゃ絶対に味わえない、このもどかしい、甘ったるい感覚。
気付けば体ごと向き合い、目を合わせ、しばしの沈黙。川のせせらぎと鳥のさえずり。平原を駆ける風に乗った、春の匂いに包まれる。
「キール…」
俺の声に応えるように、細い目をそっと瞑ったキール。…ああ、ダメだ。キールのMPが無くなるなんて心配よりも先に、こっちを懸念すべきだった。…でも。これくらい。唇を少し重ねるくらいなら…。
ゆっくりゆっくり、近づいていく二人の唇。頬に映る水面の輝きが、一層揺らめいたその瞬間。

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!!!!!!!」

けたたましい叫び声と共に、川の底からザバンッ!と水柱が噴き上がる!
「な、なんだ!?!!?」
「これは…巨大なスライム!?!?」
水底から突如現れたのは、先程まで戦っていたものとは明らかに姿形が違う。およそ30倍はあろうかという巨大なスライム。
「あいつらの親玉か!…しまった、イチャイチャしてて香が切れてるのに気付かなかったぜ!!」
「イチャイチャは余計ですっ!!!////」
「ともかく逃げるぞ!さすがにこいつは二人がかりじゃ無理だ!」
「はいっ!!」
ゲプゲプと口から泡を出し、子分を倒されまくった恨みか、怒りを孕んだ視線をこちらに向ける親玉のスライム。
「キール!!!!走れ!!!!!」
俺がそう叫んだ刹那、ズバッ!と伸ばされた触手に一瞬で退路を塞がれる。
「いけません!囲まれました!!」
「クソッ!一か八か…!!!!!」
剣を構え、更に腰のナイフも抜いて逆手に構える。ふぅ、っと息を整えると、俺は叫びながら親玉スライムに突撃した。次々に繰り出される触手による容赦無い突き。何とかナイフでそれをいなし、足元に力を込めて一気に飛び上がる!

「ウオオオオオオオォォォッ!!!!!!!!!!!」

眼前の頭部に向けて繰り出した渾身の一撃。
…だがそれは、先程まで座っていた流木を掴み上げた触手に虚しくも弾かれ。なすすべもなくカウンターの一撃を食らった俺は、背中から思い切り地面に叩きつけられる。
「ガハッ…!」
バキバキッ…!と、体の内側から鈍い音が響いた。くそ、骨何本かイッたな…ちっくしょ…いっっってぇ…!
「ああっ!バーン様…!!!!」
小さなスライムとはわけが違う。人なら何人でも呑み込めそうなその巨体。たまらず倒れ込んだ俺もまた触手に四肢の自由を奪われ、ゆっくりと体を飲み込まれてゆく。
「キール…!逃げろッ!!!早く…!!!!!」
「ダメです!!!!このっ…!!!!!」
先程までの戦いとは違う型の棒術を使い、とんでもないスピードで連撃を繰り出すキール。親玉スライムの体を少しづつ削ってはいる…が、焼け石に水。
「ダメだ!こいつが俺に気を取られている隙に…早く!」
「そんな…バーン様!!!!」

「いいんだ…!キールの旅は…ここで終わらせねえ…!」
俺が心の底から叫んだ、その瞬間だった。スライムの動きが一瞬ピタリと止まる。

「バーン様、お許しください。私は貴方様との誓いに背きます。」

朦朧とする意識の中、背後に感じるただならぬ覇気。振り返ったそこにあったのは、まばゆい青色の後光を携え、頭上に大きな天使の輪を掲げたキールの姿だった。
怒りに満ちた表情。だがどこか荘厳な佇まい。…昔親父に聞かされたことがある。「エーテルの天使を怒らせてはいけない」と。

「────。……─────。」

今までに聞いたことが無い言語。言葉。小さく囁いたキールはまばゆい光に包まれ、それを見た俺の意識もまた、白く淀んで消えていった…。

………!

……バー………ま!

………バーン………様………!

意識が混濁する中、キールの低く優しい声が頭の中に何度も何度も響いた。

目が覚めた時、そこには体中に出来た俺の傷を癒すキールの姿があった。
「ああ!お目覚めになられたのですね!!よかった…よかった…!!!!」
目を開いた俺を見て涙を流すキール。
「……派手にMP使いやがって…」
「どんな事情があるかは存じ上げませんが、貴方様の命には代えられませんでした。」
「…そうかよ。」
「申し訳ありません。…ですが、私のMPを全て使ってでも。貴方様を完全に回復して差し上げます。」
「どうなっても知らねえぞ…」
「構いません。」

─────数刻後、アムリタ近郊「サルバ平原」・野営の森─────

キールの宣言通り、俺の怪我と体力はたった小一時間程で完全に元に戻っていた。さすがはエーテル教の宣教師を務めるだけはある。親玉スライムを倒した上に完全回復の法力まで。とんでもない力だ。
「さて、魔除けの香も朝まで持つように焚いておきました。ご安心ください。」
その後俺たちは、大事をとって近くの野営地にキャンプを張ることにした。町まで歩くとさすがに夜更けになってしまいそうだったからな。
「…あのよ。」
「はい。」
「…さっきはありがとな。その…礼、言いそびれちまって。」
「…いえ、良いのです。…貴方様に「キールの旅は終わらせない」と言われて。私は本当に嬉しかった。」
「あれはだなーーーーー俺んなこと言ったかなーーーーー////」
「ふふ、では私の記憶の中だけに留めておきましょうか。」
さっきまでとは打って変わって、柔和に笑うキール。…やっぱりかわいいや。

それからしばらく、俺たちは焚火を囲んでまたぽつぽつと話をした。最初はまた他愛のない身の上話だったが、大人の男が二人。僧侶といえどもキールも男だ。話は軽い猥談へと変わっていった。

「じゃあ教会ではオナニー禁止だったんだ。」
「はい。エーテル教は性質上、性にはオープンな宗派なのですが、やはり一定の年頃になるまでは自慰すら一切禁じられておりました。」
「じゃあどこからオッケーになるんだ?」
「…魔法、法力や精霊術を扱えるようになる十八の時からです。」
「あ…。」
そう。この世界の理。魔法や法力を扱うにはMPを消費しなければならない。そしてMPは使えば使うだけ減り、自然に回復する事は一切ない。回復するには…そう。

「最初の魔法を使うため、十八になった信徒は男性の精子。…子種を、体内に蓄えなければならないのです。」

…この世界の「とある物質」に含まれる元素「マナ」。とある物質とはそう。「精子」。僧侶や魔法使いはその元素を体内に取り込み、変換されたエネルギーをMPとして管理する。

つまりこの世界では誰しもがまず、男を知らなくては魔法が使えない。

MP回復用の薬品を開発する動きもあったが、新鮮な精子にしかマナは含まれないため、実用化には至っていない。そして女性は妊娠の可能性があるため、魔法使いや僧侶はほぼ男性の職業なのだ。
「私も十八の時、男を知りました。」
…分かっていたことだ。僧侶であるということはつまりそういうこと。皆が周知している事実。
「…この旅でもたくさん抱かれたのか?」
「!……それなりには。」
俺は勃起していた。キールにバレない様うつぶせに寝転がって。生真面目な顔をしたこの天使は、人を癒す度に誰かに抱かれなくてはならないのだ。夜な夜などこかの宿で、野営地で、路地裏で、その体に精を受ける。
「もしかして昼間の男も?」
「はい。アムリタに着いたばかりの頃にパーティを組んだ方です。…優しいお方だと思っていたのですが、その…夜の方がかなり乱暴で。解散してからもしつこく付きまとわれてしまい…。」
「よし、町に帰ったらまずあいつの首を刎ねよう。」
「お、お止めください!」
「はは、冗談。」
「もうっ………あの、バーン様は…初めてはおいくつだったのですか?」
「………聞きたい?」
「…私、気になります。」
少しの沈黙の後、ガコン、と薪が崩れる音が森に響く。そしてぽつり。

「…俺、童貞なんだ。」

今まで殆ど誰にも言った事が無い事実。この世界、この職業では奇跡に近いような事実。その事実を俺は、今日出会ったばかりの僧侶に伝えた。
「な………!」
それを聞いて言葉を詰まらせ、絶句するキール。
「はは!嘘みてえだろ。こんなナリでさ。…でもほんと。僧侶様に嘘は吐かねえよ。」
俺は立ち上がり、ニカッと笑って見せる。
「まぁチャンスはいっくらでもあったんだけどさ、ただ俺が、」
「バーン様!!!!!!」
俺が言葉を言い終わる前に、キールは叫び、そして勢いよく俺の体を押し倒した。
「いってぇ!お前…!」
「バーン様。私、先程MPを全て使い果たしてしまいました。」

…ああ、やっぱり。こうなった。

「…それで?」
「バーン様がその…まっさらなお体と知って私は…その…」
「…うん。」
「私に、貴方様の初めてをいただけないでしょうか。今日出会ったばかり、しかも旅の僧侶です。見目麗しいわけでもございません。…ご不満は重々承知です!ですが…」
「……ですが?」
「懺悔いたします!ギルドで助けて頂いたとき、あの時からずっと、」
キールは懸命に言葉を選ぼうとしていた。だが、煩悩の前ではそれはまるで無意味だった。

「私は、貴方様に抱かれたくて仕方が無かったのです!!!!」

頬をこれでもかと紅潮させたキールの叫びが、その切ない声が、慟哭が、夜の森にこだまする。
…そして、押し倒した俺の体に、ゆっくりと身を寄せるキール。

「さぁ、バーン様。ここには私達二人だけ。見ているのは月だけでございます。」
深い森の中。静けさの中にただ虫の音が響く。
「キール…。」
俺の体に跨った僧侶は、そのムッチリとした尻をゆっくりと動かし、白いズボンに滲ませた我慢汁を見せつけるように…布越しの股間を前後に繊細に刺激する。
慣れた動き。生真面目な見た目からは想像もつかない淫靡な吐息。昼間あれだけ動いたせいか、めくられた僧衣からは濃い雄の臭いが溢れる。
ねだる様な視線。差し出されたその手が、今か今かと俺の返事を待っている。
「さぁ、バーン様。……私の中に、貴方様の精液を。」

やはりこうなった。こうなってしまった。安い正義感など出すんじゃなかった。
どうせまた俺は…受け入れられることは無いんだ!

…でも、でも、こいつとなら、キールとなら!!!!!!!

「待ってくれ。」
差し出された手を掴み、意を決してキールを制止する。
「…やはり、私めでは、」
「違う。どうして俺が魔法職とパーティを組まないのか。お前にMPを使わせなかったのか。どうして童貞なのか。」
「理由は、何なのです…?」
俺の体の上から退き、改まって目の前に座り込むキール。それを見て俺は静かに立ち上がり、

穿いていたズボンを下着ごと一気にずり下げ、キールに全てを晒した。

「なっ…!?はっ…!?!!?」
俺のちんぽを見てビクン!と体を揺らし。大きく口を開け、その蒸れた巨大な竿を凝視するキール。
…そう、魔法職とパーティを組めない理由。今まで童貞の理由。それはこのデカすぎるちんぽを、誰一人受け入れることが出来なかったから。…つまり、俺はMPを回復させることが出来ないのだ。
今までだって何人もチャレンジしたさ。頑張って慣らして。でもダメだった。何度も何度も。…そのうち、拒まれるのが怖くなってしまった。だから、独りになった。
「なぁキール。MPを回復するには、俺の精液を直接お前の腹の奥に注がなきゃいけないんだよな。」

▼MPがたりない!【前編】 -続-



というわけで今回はまたまたテキスト形式…というかもう小説みたいな文量になってしまいました。前からずーっと温めていたネタ。セックスでファンタジーな世界のお話でした。
頭の中で四六時中ストーリーを考えていたんですが、小説書ける人ってやっぱ凄いですよね。自分語彙力無さ過ぎて…でもめちゃくちゃ楽しく書けました。えへへ。文章書くの楽しい。
今回は前編ということでエロがほぼ無く、キャラ紹介と出会いの話だけになってしまいました…が、次回は頑張って早めに!最初からエロエロエロ!でお送りできるようにしたいと思います!!!!

ではではまた次回の更新でお会いしましょう!

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